育休復帰が決まると、「育児だけでも精一杯なのに、仕事ができるんだろうか」「家庭が犠牲になってしまわないだろうか」と不安になりますよね。
私も第一子からの育休復帰は不安の連続でした。
しかし、「ワーママ流の働き方」を心得て、復帰後一年経つ頃には管理職に昇進するまでになりました。
この「ワーママ流の働き方」は、私が育休者向けのセミナーに参加した際に得た知識ですので、これを読んでくださっているみなさまにも実践可能な内容です。
ぜひ、お試しください。
- 7歳・2歳の母
- 2024年春よりタイ在住
- 元大手企業勤務・時短で管理職経験あり
復帰前ママたちの3つの不安材料
ママの不安は以下3つに収れんされます。
- 育児と仕事の両立
仕事が忙しくなりすぎて家庭を犠牲にしてしまわないか - キャリア
希望のキャリアを築けるか - 人間関係
職場に迷惑をかけてしまわないか
検索すれば、先人ワーママの体験談がサクッと読めてしまう時代。これらの不安を抱くのも無理はありません。
しかも、復帰直後は不慣れもあり、忙しすぎて、課題が発生しても熟考する時間がない=課題の修正が困難です。
そのため、先手を打ってこちらの希望を上司に伝え、あなたが働きやすいように環境を整えてしまいましょう。
職場復帰時に上司と話しておきたい3つのこと
育休復帰後、上司と話しておきたい事項は以下の3点です。
- 「家庭と仕事のバランス」と今後のキャリア
- ワーママとしての業務適正と負荷
- 属人化しない環境づくり
これらを話しておくことで、その後のワーママライフの快適度が変わります。
「私だって頑張ってるのに…」と被害妄想に陥らないためにも、上司と会話しておくのが吉です。
以下、くわしく解説します。
「家庭と仕事のバランス」と今後のキャリア
上司はあなたを理解しているか?
突然ですが、上司はあなたのことを理解していると思いますか?
以下のケーススタディをもとに、「復帰ママさん」の思考が正しいか、考えてみてください。
復帰ママさん、あなたには今度からこの業務を担当してもらうからね。
え…この前、全社プロジェクト立ち上がったって言ってたよね…うちのグループは私以外全員アサインされてるし、いつもだったら私も呼ばれるはずなのに。
私、期待されてない…?
いかがでしょうか?どうやら、「復帰ママさん」と上司の間に、ズレがありそうですね。
上司の「よかれと思って」
あなたはこれまで通り仕事がしたいと考えている一方で、上司は「復帰したばかりで大変だろうから、負荷の少ない業務を割り当てよう」としているのかもしれません。
このように、人は相手を慮るあまり、相手の本当の心理に気づかないことがあります。
せっかく二人とも「イイ人」なのに、モヤモヤするのはもったいないッ!
逆のパターンもあります。あなたは、出産前はバリバリ働いていたけど、育児を通して価値観が変わり、負荷の少ない仕事の仕方をしたいと思っている。
でも、上司は出産前のイメージを引きずって、「よかれと思って」あなたを出産前と同様に扱っている場合もあります。
あなたの理想の働き方を伝えよう
上司は「育休復帰の部下」というバイアスであなたを見ています。だから認識にギャップがある。
このギャップは、キャリアデザインを共有することで徐々に埋まり、働きやすくなります。
あなたから理想の働き方を伝えてみましょう。
- (家族が協力的・実家が近い等で)サポート環境が整ってるので、前と同じように仕事がしたい
- 残業は難しいが、出張は調整可能
- 子どもが小さいうちは家庭に重点を置きたい。(⚪︎年後からアクセルを踏む予定、など将来の見通しも言えたらベスト)
コツは、リラックスして話すこと。
最初から「上司や職場は敵」認定せず、「話せばわかってくれる」という柔軟な心持ちで、あなたの素直な想いを伝えることです。きっとわかってくれます。
- 上司はあなたのことを理解できていないだけで、「面倒な存在」とは思っていない。敵認定しなくても大丈夫。
- まずはあなたからオープンマインドに接してみよう
- 理想の働き方とキャリアデザインを伝えよう
業務適正と業務負荷
今日中にこの処理、お願いね
えっ…(もうすぐ保育園のお迎え時間、どうしよう…)
定時で帰れるように進めてたのに、退社間際に急ぎの仕事を振られるとイライラしますよね。しかし、私たちには保育園へのお迎え時間があり、これだけは死守せねばなりません。
そうです、ワーママは「納期の短い仕事」と相性が悪いのです。
では、どうしたらよいか。「納期の長い仕事」をもらえばよいのです。
「納期”長”かつ責任”重”」の仕事を引き受けよう
ワーママにオススメなのは、「納期”長”かつ責任”重”」の仕事です。
比較的大きな案件、人材育成などがこれにあたります。
復帰したての頃は、納期”短”かつ責任”軽”の「ルーティンゾーン」、あるいは納期”長”かつ責任”軽”の「不毛ゾーン」が気楽で良い…と考えがちです。
しかし、これらばかりを担当していても、なかなか評価に繋がりません。
同期や後輩がどんどん責任のある仕事を任されるのを横目に、くやしい、モヤモヤすることも多くなるでしょう。
子どもが大きくなっても働き続けたい、どうせ仕事をするなら評価されたい、そんな気持ちをお持ちの方は、「ワーママが得意なゾーン」を積極的に引き受けてください。
宣言しないと上司から「この人はルーティンばかりやってる、キャリアを積む気はないんだな」と判断されます。これは「よかれと思って」です。
また出た、「よかれと思って」現象!
ぜひ、上司に宣言して、「ワーママが得意なゾーン」を狙ってください。
- 復帰したててで、とてもじゃないが責任の重い仕事はできない
-
しばらく負荷の少ない仕事で慣らし、少しずつ「ワーママが得意なゾーン」に移行しましょう
育休明けは、仕事と家庭の両立に慣れるのに必死だと思います。
まずは「ルーティンゾーン」「不毛ゾーン」を、ワーママとしての働き方に慣れるまで肩慣らしの気持ちで取り組んでみてください。
少しず~つ、「あれっ私もっとできるかも?」の「余白」が生まれてくると思います。この「余白」が生まれてきたときに、改めて上司と会話してみるのも手です。
- 「納期”長”かつ責任”重”」の仕事がしたい、と言ってみよう
- 復帰直後で不安な場合は、「責任”軽”」の仕事で肩慣らしをしよう
属人化しない環境づくり
今日送らないといけない資料があるのに、子どもが熱を出した!どうしよう…。
自分しかわからない仕事や資料の場所、ありますよね。
子どもの看病をしてあげたいのに、職場にこれらを電話口で伝えなくてはなりません。
焦るし、チームメンバーの負担も考えてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいに…。
これは、「業務の属人化」が起こっているためです。
事例のような急に休むケースはもちろん、退社後に問題が発生したケースにおいても、業務が属人化されている限り問題になってしまいます。
ある業務の詳細や進め方について、特定の社員以外わからなくなってしまうこと。
これを防ぐために、①業務の共有 ②業務の標準化 の2つを実践してみましょう。
業務の共有
共有すべきは、①資料 ②進捗状況 です。
①資料
データの場合は、会社の共有フォルダに格納しておきましょう。
また、フォルダの名前をわかりやすくし、チームメンバーが探せる状態にしておきましょう。
- 顧客別・案件別等にし、誰が見てもいいように整理しておこう
- 最新版の管理をしよう(最新版だけフォルダに入れる等)
- 共有フォルダのファイルパスや、boxのURLをチームに連携しよう
②進捗状況
スケジュールやマイルストーンをあらかじめ引いておきましょう。
プロジェクト等における各フェーズ・中間地点・節目になるポイントのこと。
作業に着手する前に、マイルストーンについて上司に同意を得ておきます。
そして、適宜報告しておくと上司も安心できるので、無駄に話しかけられることもなくなります。w
- 報告手段を決めよう(メール?slack?面談?)
- 頻度を決めよう(毎朝?週次?月次?)
- スケジュールの進捗率を伝えよう
- 遅延・課題があれば相談しよう
- 当日処理が必要な業務をしています
-
当日受付時間を設定して、アナウンスしよう
業務の特性上、当日処理が必要な仕事がありますよね。その場合は、「この時間までに受け付けたタスクは、当日処理可能です」という時間を設定して周知しましょう。
この時、一人で勝手に時間を決めてしまうのはNG。「あの人、自分がラクしたいからって制限を設けて」なんて言われてしまったら、悲しいですよね。
上司と相談して、当日受付時間を設定しましょう。
そして、可能ならば上司がいる場で(チームMTGなど)チームメンバーに伝えましょう。
業務の標準化
「属人化」の反対語は「標準化」だそうです。
誰でもその業務を行えるようにすること
例えば、マニュアルを整備する、副担当をもう一人つけてもらう、等です。マニュアル作りであれば、一人で作業できるので実施しやすいです。
もし、あなたのチームが属人化した業務を多く抱えているのであれば、思い切ってチームメンバー全員での業務の標準化を提案してみてはいかがでしょうか。
マニュアルを作ることで、不要な作業に気づくことも多くあります。
ついでに効率化して、良い評価を得ちゃいましょう!
- 標準化しようとすると、面倒くさがられます
-
「私だけでなく、チームの利益になる」と俯瞰した目線で伝えよう
いますよね~、「あなただけが楽したいだけじゃないの?」って言ってやる気を削いでくるお方。
そんな方には応戦するのではなく、一つ上の目線で(メタ認知)共通の利益を訴えかけましょう。
- 業務のミスがおこらなくなるので、リカバリーの時間が不要になる
- 不要な業務を発見できるかも
- 異動者が出てもあわてなくて済む
相手との共通の利益を洗い出してみてください。
「あんなヤツの利益なんて想像もしたくないッ!」という場合は、「自分がこのチームの上司だったら?」という目線を持つと、ポンポン浮かんでくるかも?
- チームに資料の場所を共有しておこう
- わかりやすいフォルダ名にしよう
- 事前にマイルストーンを作成し、承認を得ておこう
- 進捗状況は適宜報告しよう
- 業務を標準化しよう
自分から心地よい環境を作ろう
自分から発信し、心地よい環境を作ることが「ワーママ流働き方」の第一歩です。
私はこれらを実施することで、
- 「自分にしかできない業務」が減り、
- その時間で「納期”長”かつ責任”重”」の仕事をやり、
- 管理職になりました。
結局、この時は管理職の仕事が忙しすぎて、グレードダウンを願い出たのですけどね…。
それはまた、いつかのお話しに…!(ほんとにキツい働き方だった…)
わたしもまだまだワーママ流の働き方を模索している最中です。みなさんもぜひ、ご自分のキャリアデザインや働き方を上司に伝え、働きやすい環境を作ってみてくださいね。
そして、もっと良い方法があったら教えていただけると幸いです
2023年5月、2児の母として職場に復帰してからのことを記録しています。
まだ記事数は少ないのですが、今後一年にかけて執筆していく予定ですので、お手すきの時にでもご高覧いただけますと喜びます。