ワンオペ育児の合間を縫って、月5冊ほど本を読んでいます。この記事では、9月に読んで印象的だった本をご紹介します。
- 2023年5月育休復帰
- 子は6歳児・1歳児クラス
- 時短・フルリモート正社員
- 夫激務のためワンオペ
「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略
大好きな尾石晴さんの新刊『学びの引き出し術』を読む前に、前著『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』を改めて読み直しました。
ライフスタイルの変化により、今までの働き方でこの先ずっとやっていけるか?と悩むのが、40歳±5歳ごろ。そしてまた、何かにチャレンジ後、失敗したとて巻き返せる年代でもあります。
この本では、40歳の壁にあたった晴さんが身をもって経験した、壁の越え方をまとめています。
「このままでいいのかな」とキャリアに壁を感じたら、「自分業」をつくるチャンス。
私はこの「自分業」の定義として紹介されている「裁量権が持てること」が、とても重要だと考えるタイプです。
一人目育休復帰後にこれが持てずにモヤモヤして、それを打破するために管理職になって、やっぱりムリだと平社員に戻って二人目の育休復帰を果たした今、やっぱり必要だと感じるものだから。
本業で裁量権を得るまで仕事をがんばるという考え方もあるし、裁量権を持ちたいがために複業をはじめるという考え方もアリ。私は今のところ、後者の考えを持っています。
だけど、「自分業」と言っても、どうやって作ったらいいのかな?
そんな時には、先人の通った道を知ればいい。この本では、贅沢なことに、「自分業」を成功された晴さんの以下の思考をご教示くださっています。
- 業種
- ビジネススキーム
- ターゲティング
- 商品
- ブランドデザイン
キャリアにモヤモヤしている共働き・子育て世代のみなさま、ご興味ありましたらぜひに。
犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉
犯罪心理学とは、その名の通り、犯罪行為や犯罪者の理解に心理学的アプローチで解明する学問です。
実は私は大学時代、犯罪学のゼミに入ってました(今唐突に思い出した)。
犯罪は、ある時急に起こすのではなく、それに至る過程があります。この本では、特に、犯罪を犯した少年・少女に共通する特徴を、心理的観点で、ひいては、親の養育態度にまで言及しています。
私は、「犯罪」と名のつくものは大抵読みますし、知りたいと思うタイプなのでこの本をとりました。けっして、子育ての参考になりそう、とは思わずに。
そう、「犯罪を犯す子どもと、ウチはなんの関係もない」という、この言葉が脳裏によぎることすら至らないほどの確固たる自信を持っていたのです。
しかし、読み進めると、これは私にもあてはまるかもしれない、と冷や汗がでる場面がチラホラありました。
- 例えば、「みんなと仲良く」の裏にあるのは、「面倒事は起こさないで」という大人側の都合だ、とか。
- 「支配・服従・保護・拒否」といった接し方を続けると、問題が生じる、とか。
あ、私、ぼんやりとそう感じちゃうことあるな。決して対岸の火事じゃないんだな。
あと、面白かったのは、この一文。
自己肯定感の欠如から、援助交際へ向かう傾向にある女子に対し、男子の場合は、多種方向犯に向かうことがあります。
引用:『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』(著)出口保行
「多種方向犯」とは、一つの犯罪(例:窃盗)を繰り返すのではなく、種類の違う犯罪(例:窃盗、薬物、傷害など)を行うことを言います。
これは、自己肯定感の低さの結果に男女差が出ていて興味深かったです。女子は自分の体を傷つける方向に、男子は他者を傷つける方向に向かうのですね。
大人になってしまった私が子どものことをすべて理解するのは不可能なので、彼らの様子を観察し、寄り添いながら、無事に大人になるまで育てていきたい。
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13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海
大学のサークルに地理専攻の友人がいて、不躾ながら「なぜそんな学問を…?」と聞いたら、「地形があって今があるんだぞ」と言われました。
「地政学」とはまさに、地理学と政治学を合わせた学問です。政治を考察するにあたって、地理的条件をベースにします。
例えば、なぜ、中国は東シナ海を欲しがるのか。クリミア半島や朝鮮半島といった、半島が攻め込まれやすい理由は。なぜ、これほどまで支援しているのに、アフリカは豊かにならないのか。
これを、地理の観点で、13歳もわかるように説明してくれたのが『13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海』(著:田中 孝幸)です。
今まで経済や歴史の本を読んできましたが、地理という新しい視点が加わったことで、私の理解は深まった……どころか、改めて混乱しています。
しかし、混乱しながらも、確実に知識は蓄えられています。
例えば、なぜアフリカは豊かにならないのか。私は以下のように考えます。
- アフリカが貧しいのは、強国がアフリカを搾取しているから。
- なぜ、搾取が許容されてしまうのか。それは、アフリカの民主主義がうまく機能していないから。
- なぜ、民主主義がうまくいかないか。植民地であったアフリカは、強制的に、地図上で国境を引かれたことによって、他民族国家になってしまったから。
- なぜ、植民地であったか。アフリカは南北で気候の変化がありすぎて、古代、ある地点で技術が開発されたとしてもそれを展開できずにいたため、強国が強国たるゆえんである「経済的な豊かさ」=余剰を持てなかったから。
これらは、この本と、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(著)ヤニス・バルファキス, (訳)関 美和 を読んだ結果、私がたどり着いた答えです。
間違っているかもしれない。違う説があるかもしれない。けれど、たくさんの本に触れることによって、世界の見方をひとつ、増やすことができる。そんな魅力に気づけたのも、この本を読んだことがきっかけになりました。
やっぱり、現代の経済・社会に関する本は勉強になるね。
世界史の話を読んだり聞いたりすると、必ずといって良いほどお目にかかる本があります。それが、『銃・病原菌・鉄』(著)ジャレド・ダイアモンド , (翻訳)倉骨彰 です。
よっぽど古い本なのか?と思いきや、オリジナルは1997年刊行、日本語訳は2012年に発売された、比較的新しい本です。
次は、この本にもチャレンジしてみたいと思います(積読本が増えていく……)。
これからも読書を共に楽しみましょう
いかがでしたでしょうか。次の選書の参考になれれば幸いです。