「あいつと仕事、したくない」。観音菩薩のような私をしてそう言わしめるK氏は、職場の爆弾であることがわかった。彼が参加する会議は、ことごとくお通夜会場になるのだ。それでも哀しきかなサラリーマン、嫌なヤツとも仕事を進めていかなければならない。私は、過去に読んだ4冊に、そのヒントを求めた。
- 2023年5月育休復帰
- 子は6歳児・1歳児クラス
- 時短・フルリモート正社員
- 夫激務のためワンオペ
「K氏の言うことが正しいんだ」と思っていた
私は育休前と同じ部署に戻ってきましたが、K氏とは会ったことがありませんでした。
弊社はグループ会社間の人事交流が盛んで、私も現在、子会社へ出向中という身分ですが、K氏も同様に、私が育休中に出向してきたようでした。
K氏と何度か会議を共にするうちに、「私はダメなやつだ」と思う一方、「K氏はすごいなぁ、いつも自分の意見があって」と感じるようになりました。
実際、知識の差はあったと思います。
私のキャリアは、
業務企画 → プロモーション → マーケティング → プロダクト企画
というTHE☆文系の道を歩んできました。K氏は元はエンジニアで、プロダクト企画に転向したクチです。
技術を取り扱う会社ですから、知識量で言ったら私はK氏にも及ばないし、K氏の発言が理解できないのは、なかば「当たり前」でした。
その「当たり前」というバイアスが私を委縮させて、違和感を覚える発言についても「私の言うことは間違えている、K氏の言うことが正しい」と目をつむらせていました。
失礼な発言 物の見方に違和感
しかし、K氏と一緒の仕事の進捗がよくないことに気が付きました。チームメンバーの動きもとても悪い。
そろそろ四半期が締まるので、仕事の着地を考える時期です。私は進まない仕事に焦りを感じ、「メンバーで集まりませんか」と声をかけました。
その会議の場でのK氏の発言が、私の目を覚ましました。
これは、私が「この仕事を、今期どこまでやるか決めて、そこに向かってアクセル踏みましょう」と招集した会議におけるK氏の発言です。
「これくらいでいいだろう」とナァナァにするのではなく、「ここまでやるって決めたから、達成するには今より頑張らないといけないよ」と共通認識する場でした。
そこでK氏から飛び出たのは、
みなさんは上司の顔色のために仕事するんですか? 全部やればいいんですよ。上司のフィードバックも必要ない。自分は絶対大事な仕事だと思うんで、良いもの作り上げて上司をねじ伏せればいい
これには、私ともう一人のM氏が異議を申し立てました。
- 「良いもの」を多角的に評価してもらうためにもレビューは必要
- 独りよがりの仕事をしてアウトプットを誰にも評価されなかったら、それはムダ
正直に申し上げると、このとき私は憤慨していました。
私には、まがりなりにも「企画者」の意地がある。ユーザーの課題を解決するために仕事をしているという自負もある。それを「上司のために仕事をしている」なんて言われたらたまったモンではない。
私とコミュニケーションを取ろうとせずに、一方的に自分の見方だけで私を断定するのは、大変失礼。
私はこの件で、「K氏を絶対視してはならないのかもしれない」と思い始めました。
会議が「お通夜状態」
一度目が覚めると、いろんな発言が気になるようになりました。
特に気になったのは、誰も話さない会議が多いこと。うんともすんとも言わないんです。
こんな簡単な依頼を、忙しくてやれないって言うんですか?
みなさんが課題に思ってないようなら、私が残業してやります。
K氏のこの言葉を前に、誰も、何も言えない。
反論しようものならば、「そうじゃない」と否定される。どんどんふさぎ込んで、でもそんなメンバーをK氏は「意見がない人」とみなす。もう完全に悪循環です。
なんとかしなければ 知恵は「本」に
「どげんかせんといかん」と思いました。
私は、チーム内ではベテラン勢に入ります。K氏を排除することなく、チームみんなで目標達成するためには、どうしたら?
私の「主観」ではなく、客観的なアドバイスが欲しい……。
その解を、私は四冊の本に求めることにしました。(つづく)